作品; 内なる光Inner Light
– ひとつの祈りとしての平面的オブジェ
額縁とはもともと絵画をひとつ聖なる存在として日常空間から隔離するための装置である。君の平面的オブジェは連なることによって仮面上に直接光が反射を繰り返し、そのオブジェとしての実体が消失する。その結果、正面の平面部分が壁面から浮き出て、その周りはアウラと化す。しかし、そこには、中心となるべきものが喪失しているかのようである。かつての教会内部がそうであったように、光の導入とその空間内での作品の位置と密度が重要であり、インスタレーションとしての意味も付加されよう。私は、装置ではなく、絵画そのものの復権がくわだてられていく方向を見定めたい。